CCS特集:ニューラルネットワーク

ニチメンデータシステム

 1992.06.17−ニチメンデータシステムは、米国ニューラルウエア社が開発した「ニューラルワークス」シリーズの販売を行っている。ニューラルネットシミュレーターの「Professional 2/PLUS」、学習済みのニューラルネットを各種のプログラム内に組み込むための「DesignerPack」をはじめ、各種のオプションソフトウエアから構成されている。今後は、今秋をめどに強力な新ツールを発売するほか、新たにプロセス制御、市場調査・マーケティング、金融関係などの分野でアプリケーションシステムとしての取り組みも始め、多面的な事業展開を図っていく計画だ。

 ニューラルネットを構築する際にはいろいろなことが問題になるが、最適なネットワークモデルの種類やニューロンの数をいくつにするかなどネットワークそのものの問題についてはこれまでの「Professional 2/PLUS」を使って最適化を図ることができた。しかし、学習やテストを行うためのデータは、人間の手でデータを選び出してきて再入力してやる必要がある。また特徴をうまく抽出して個々の問題に適したデータセットをつくることや、データを数値化するコード化作業など、これら”データの前処理”と呼ばれる工程にかなりの時間と手間がかかっていた。

 これを強力にサポートするのが新製品として発売予定の「グラフィカルデータアナリシス(GDA)」である。一般的に使用されている表計算ソフトやデータベースソフト、またユーザー定義のデータファイルなどさまざまな形式のデータを取り込むことができ、そのデータをグループ化したり、各種統計解析などを施して本当に必要なデータを抽出したりすることができる。

 グラフィカルな操作環境により、ユーザーはデータをどのように正規化・変換するかを的確に判断できる。ニューラルウエア社では、今後も機能強化を続け、データセットづくりの自動化、さらにはネットワークのチューニングまで自動化レベルをどんどん高めていく計画。最終的には、自動的にアプリケーションが組み上がるという夢のような環境が実現される可能性もあるという。

 一方で、ニューラルウエア社は最近、特定のアプリケーション開発にも力を入れ始めており、日本側でもこれに呼応して夏ごろから新たな事業展開に取り組む予定。