菱化システムが物産アドバンストと販売提携

バイオシム製品を医薬/バイオ市場向けに拡販

 1992.07.11−三菱化成のソフトウエア子会社、菱化システム(森本隆社長)と三井物産100%出資の情報商社、物産アドバンストシステム(BASYS、宮崎重則社長)は、CCS(コンピューターケミストリーシステム)で提携した。BASYSが菱化システムの代理店となり、菱化システムが販売権をもつ米国バイオシム社のCCS製品群を、とくに医薬/バイオ向け市場に対して、一手に扱っていく。

 BASYSは販売活動に専念し、技術サポートは菱化システムが全面的に責任をもつ。それぞれの短所をうまく補うとともに、長所を生かし合う形になる。

 バイオシム社は、米国CCS業界最大手の一角を占めるベンダーで、とくに分子動力学法をベースにした分子シミュレーション技術で高い評価を確立している。医薬/バイオから、ポリマー、触媒、電子材料分野まで幅広い分子設計支援システム技術の開発を行っているが、今回の契約ではとくに医薬/バイオ分野に限ってBASYSが全面的に販売を受けもつことになった。ただ、将来的にはバイオシム全製品の販売窓口がBASYSに一本化される可能性が大きい。

 バイオシムは1992年6月期で前年度比50%増の3,000万ドルを超える売り上げを達成すると見込まれており、米CCSベンダーの中でもトップレベルの急成長をみせている。菱化システムのこれまでの販売体制ではこの成長ペースに追随できなくなりつつあった。BASYSはこれまでにCCS市場での事業ノウハウをもっているため、即戦力として提携できると判断した。