1998年春CCS特集:旭化成情報システム

MACROMODELの販売に力、配座探索に威力

 1998.03.20−旭化成情報システム(AJS)は、米コロンビア大学のクラーク・スティル教授が開発した分子設計支援システム「MACROMODEL」の販売活動に力を注いでいる。最新版のバージョン6.0はこの1年間で45サイトの実績があり、新規ユーザーへも着実に導入が進んでいる。新しいバージョン6.5も間もなくがリリースされる予定だ。

 「MACROMODEL」は低分子化合物を対象にした分子設計や有機合成研究に役立つCCSで、計算手法としては分子力場法やモンテカルロ法を中心に取り入れている。とくに、開発者のスティル教授自身によって吟味された高精度のパラメーターセットを持つことが特徴で、その信頼性はすでに広く確立されている。

 国内では、やはりスティル教授の知名度の影響が大きく、大学関係がメインのユーザーとなっている。最近ではハードウエアの低価格化によって200万円ほどでシステムを提供できるようになり、研究室単位で購入する例も増えているという。

 配座探索に威力を発揮しており、とくに有機合成分野で再現性の良い答えが出るため、実験結果を理論づけて説明するなどの用途にも役立っている。安定配座を探索する際の最安定エネルギー計算を、実際の有機合成で目的の配座が得られるかどうかの指針として用いるためには、1キロカロリー以内の精度が必要といわれるが、MACROMODELを使えば、計算化学の専門知識がなくても簡単にその評価ができるわけだ。