加エイトリオン社:ジョンソン社長会見

MSDS国際対応でビジネスチャンス拡大

 1998.09.02−MSDS(製品安全データシート)の自動作成など環境安全管理システムの大手ベンダー、加エイトリオン社のブルース・ジョンソン社長が2日、都内で会見し、次期製品戦略などについて語った。ジョンソン社長はとくに、「環境問題に関する関心が世界的に高まるなか、化学品をグローバルに扱う企業にとって、柔軟に法規制に対応することが、ビジネスチャンスを拡大するための大きな要素になっている」と述べ、開発中の新システムの導入効果を強調した。会見要旨は以下の通り。

 「19ヵ国語のMSDSなどを各国の法規制に合わせたかたちで自動的に作成する「ChemMate」は1992年の発売以来、26ヵ国の400社、1,300拠点で採用されている。日本でも今月から富士通京葉システムエンジニアリング(FKY)を通して売り出した」

 「開発中の“コンプライアンス・オプティマイゼーション・エンジン”は、人工知能(AI)技術を生かしてさらに機能を高めたシステムで、各国の規制を考慮して最適な原材料を選択させることができる。例えば、オランダのある接着剤メーカーは、米国の接着剤の規制の内容を知らず、自社の製品をどう変更したらいいかもわからなかった。当社の知識ベースを利用することによって、米国の規制をクリアできる製品設計が可能になり、新しい市場に進出することができた」

 「また、規制対象物質が含まれる際のコスト増を考慮して、製造から在庫、物流までのトータルコストを試算できるので、製品の処方を最適なかたちで設計できるメリットがある」

 「新システムは来年第1・四半期に発売する予定で、日本でも初年度に10社程度のユーザーを期待している」