ネットサイエンスが分子軌道法ソフト最新版

適用対象と応用領域拡大

 1998.07.27−デジタルウェア(本社・東京都新宿区、田中健悟社長)はこのほど、ベストセラーの分子軌道法プログラムの最新バージョン「GAUSSIAN98」の国内販売を開始した。同社が科学者・技術者向けのインターネットサイトとして運営している「ネットサイエンス」(http://netscience.digitalland.ne.jp)を通して発売する。今回の最新版は、巨大分子の電子構造を効率良くシミュレーションできるのが特徴で、計算の適用対象と応用領域が広がった。

 UNIXワークステーション各機種で利用でき、ソフト価格は教育機関向けがソースライセンス55万円、バイナリーランセンス38万円。前バージョンからのアップグレードはそれぞれ28万5,000円と20万円。民間向け価格はソース500万円、バイナリー200万円、アップグレードは250円と170万円。ウィンドウズ版も追って発売される予定。

 GAUSSIAN98は、米ガウシアン社が開発した非経験的分子軌道法の最新プログラム。従来は小さな分子しか計算できず、化学原理の基礎研究用ソフトという印象が強かったが、今回から実用的な巨大分子への対応が可能になった。巨大分子系に対して電子構造理論を適用するためのFMMやONIOMとった新機能を備えている。

 また、化学シフトや振動スペクトル、ラマン強度などの予測が可能になり、実験結果との比較研究が容易になったほか、励起状態のモデリング機能や溶液中での計算機能などが強化されている。