ISIジャパンがインターネットベースのDBサービス

30万件の反応情報、100万件の化合物情報にアクセス

 1998.10.01−ISIジャパンは、一般ユーザーがインターネットを介して化学反応データベース(DB)などの検索を行えるサービスを「ISI ChemistryServer」の名称で本格的に開始する。米インスティチュート・フォア・サイエンティフィック・インフォメーション社(ISI)が昨年夏から始めた引用文献DBサービスに加え、今年8月に化学反応DBサービスを開始、来年初めには化合物DBも提供するなどコンテンツが強化されたことにともない、日本でのユーザー獲得に本腰を入れることにした。来年度にはユーザーが社内だけで使えるイントラネット版も発売する予定。

 同社の各種DBは化学・医薬など幅広い研究開発分野で使われており、その内容には定評があるが、高額なデータベース管理システム(DBMS)を別途用意する必要があるため、中小企業や大学などでは利用が難しかった。今回のサービスの使用料金は年間契約制だが、データ自体の提供料はこれまでとほぼ同一であり、ユーザー側にDB管理や検索システムが不要な分だけ割安になるという。

 「ISI ChemistryServer」でアクセスできるのは、化学反応DB「ReactionCenter」と化合物DB「CompoundCenter」の2つ。さらに、引用文献DB「Web of Science」とのリンクが可能である。

 「ReactionCenter」は、「Current Chemical Reaction」の名称で提供されている30万件以上の化学反応情報をウェブに対応させたもの。350の学術雑誌に発表された1986年以降の情報をきめ細かく網羅している。一方の「CompoundCenter」は同社の有名な化合物DBである「Index Chemicus」をベースにしており、100万件以上の新規化学物質(有機化合物)を収録、毎年20万件以上の化合物を追加している。

 ユーザーは手元のパソコンからISIの専用サイトにアクセスして、各DBを自由に利用することができる。検索や表示はすべてブラウザーだけで行われるので、特別なハードやソフトは必要ない。検索用の反応式も、ブラウザー内で無料のプラグインを使って記述することができる。

 同社では、インターネットを介したサービスとすることによって、とくに中小企業や大学での利用者が増えると予測。大企業向けにはイントラネット版も提案していく作戦である。