ISIジャパンがウェブ経由DBサービスを強化

ダウエント特許情報DBと相互乗り入れ可能に

 1999.06.21−化学および医薬分野の研究開発に役立つデータベース(DB)を提供しているISIジャパンは、インターネットベースの情報検索サービスの売り込みを強化する。昨年から提供している化合物および化学反応DB、引用文献DBに加え、このほど兄弟会社のダウエント社が蓄積している特許情報DBとの相互乗り入れが可能になるなど、コンテンツが大幅に充実したため。キーワードなどを使って検索すると、該当する文献情報とともに特許情報も表示され、クリック一つでその内容にアクセスできるなど、研究の思考を妨げない使いやすさが特徴となっている。

 米インスティチュート・フォア・サイエンティフィック・インフォメーション社(ISI)は、大手出版社トムソンコーポレーションのサイエンス&テクノロジー部門を英ダウエント社とともに構成する企業で、有機化合物や化学反応に関する各種情報、学術論文情報をDBとして提供している。

 とくに、昨年からインターネットベースのサービスに力を入れており、350の学術雑誌を網羅した30万件以上の化学反応情報と120万件を超える化合物情報にアクセスできる「ISIケミストリーサーバー」、学術論文の相互引用履歴を追跡できる「ウェブ・オブ・サイエンス」のサービスを開始している。ブラウザーソフトだけで簡単に操作でき、年間契約制なので使い放題に利用できるというメリットがある。

 今回、ダウエントの特許情報DB「ダウエント・イノベーションズ・インデックス」との連携が実現。これは、40ヵ国900万件の特許を検索できるサービスで、特許の書誌情報からその特許を引用したすべての特許、引用文献まで簡単にナビゲートすることができる。これにより、例えばまずある化学反応を検索し、関連する文献を孫引きして本文を読んだり、その反応に当てはまる特許を参照したりするなど、立体的で多面的な研究がブラウザーでリンクをたどるだけで簡単に行えるようになる。

 以前は、文献検索やDB検索は社内の専門部署などに依頼する必要があったが、インターネット検索はある程度複雑なものでも現場の研究者自身が行うことが可能なことから、人気が高まっている。