R&D支援システム特集:ケイ・ジー・ティー(KGT)

計算化学プログラム群充実

 1999.06.24−ケイ・ジー・ティー(KGT)は、幅広いコンピューターケミストリーシステム(CCS)技術を用いて、化学・材料研究の最先端を支援。とくに、分子の電子状態の解析と物性評価に役立つ量子化学計算のサポートに力を入れており、充実したソフトウエアツール群の提供から、計算サーバーを含めたハードウエアのシステムインテグレーション(SI)までトータルソリューションの構築を目指している。

 分子軌道法や密度汎関数法などの量子化学計算は、物質の電子状態を知ることができるため、精密な分子設計には欠かせない技術であり、ここへきて利用者層も広がりをみせている。

 KGTが提供しているのは、米モレキュラーシミュレーションズ(MSI)の統合CCS製品「CERIUS2」で利用できるプログラム群で、密度汎関数法の「Dmol」、第一原理分子動力学法の「CASTEP」などが中心となる。さらに、蘭SCMの密度汎関数法「ADF」も周期境界条件が扱えるため人気が高い。これらのMSI製品は菱化システムとの提携のもとにサポートされる。

 一方、MSIとは異なる系統の量子化学計算環境として、米キューケムおよび加ハイパーキューブの統合製品も注目される。キューケムの「Q-Chem」は大きな分子の計算を得意とする非経験的分子軌道法ソフトで、新しいウィンドウズNT版はグラフィック環境としてハイパーキューブのパソコン版CCS「HyperChem」を利用することが可能。

 こうした分子軌道計算には高速なコンピューターが必要になるが、同社はもともと科学技術計算のハードウエアに強い企業であり、最適な計算サーバーを組み合わせたシステム提案を得意としている。

 そのほか、CERIUS2の新機能としてポリマー設計などに有効なバルク状態の計算が行える第3世代力場「COMPASS」、材料設計・配合設計に役立つ「MS-QSAR」なども期待される。とくに、COMPASSは昨年来欧米で250ライセンスの販売実績があることから、国内でも7月にセミナーを開催し、本格的な紹介をはじめる。