住商エレがネットサイエンスを買収

新会社サイネックスを設立、7月からサービス開始

 1999.07.07−住商エレクトロニクスは、インターネットを利用して科学者・技術者向けのソフトウエアを販売する会員制サービス「ネットサイエンス」をデジタルウェア(本社・東京都新宿区、田中健悟社長)から買収、このほど100%出資の子会社「サイネックス」(緒方昭一社長・住商エレクトロニクス専務を兼任)を設立し、7月から正式にサービスを開始した。本年度に売り上げ3億円、次年度に5億5,000万円を見込んでおり、この時点で経常黒字化を達成する計画。

 「ネットサイエンス」は、科学者を対象にしたサイバーモールで、化学、医療、物理、生物、天文、数学、各種工学など世界中の科学技術系ソフトウエア1,600社/6,500本を集めている。ユーザーはホームページ上から求めるソフトを簡単に探し出し、必要なものをその場で注文することができる。

 デジタルウェアが97年1月から開始したサービスで、住商エレクトロニクスは98年11月に人員・設備をそっくり3,500万円で買収していた。今回、住商エレは休眠中の子会社「住商ランバー・トレーディング」を「サイネックス」に社名変更し、これにネットサイエンスの営業権を譲渡する形で事業体制を調えたもの。買収後から現在までも暫定的な体制でサービスは継続されてきており、現在の会員数は約9,000名となっている。

 ネットサイエンスは、インターネットを利用できるユーザーなら誰でも接続でき、会員になって利用するが、ソフト購入以外の費用は無料。海外のソフトも日本語で検索できるほか、開発元のホームページへのリンク、詳細資料の入手、デモソフトのダウンロードなども行える。代金の決裁は基本的にオフラインで、企業向けの見積もりにも応じている。URLアドレスは、http://netscience.nexusnet.ne.jp

 コンピューターケミストリーシステム(CCS)関連では、分子軌道法ソフトで名高い「GAUSSIAN」をはじめとして多数の製品を揃えている。住商エレは、本体でもCCS事業を推進しており、相互に補完しつつ、グループとしての経営資源の最適配分を図り、相乗効果を狙っていくことにしている。