KGTが分子軌道法ソリューション拡充

HyperChemを核に新たに2つのソルバーを提供

 1999.12.21−ケイ・ジー・ティー(KGT)は、加ハイパーキューブ社の分子設計支援システム「HyperChem」(ハイパーケム)を核に、分子軌道法計算のソリューションを拡大する。HyperChemに統合させて使用できる米キューケムの「Q-Chem for Windows」、富士通が開発した「MOPAC2000 for Windows」をセットにして販売していく。分子軌道計算は化学反応などに関係する電子状態を調べることができるため研究者の間で需要が高まっている。HyperChemから利用することで計算の操作が簡単になるので、利用者の拡大に寄与すると期待される。

 HyperChemは、低分子の有機化合物からたん白質や核酸まで幅広い系に対応したウィンドウズ版のコンピューターケミストリーシステム(CCS)で、分子力場法、分子動力学法、半径経験的分子軌道法などの計算機能を備えている。

 これらに加え、今回、新たに2つの分子軌道法ソフトがHyperChemに組み込まれる形になる。Q-Chemは大規模分子に対応できる高速非経験的分子軌道法ソフト(密度汎関数法を含む)で、ハイパーキューブとの共同作業でウィンドウズに移植されたもの。一方、MOPAC2000はたん白質のシミュレーションまで可能な半経験的分子軌道法ソフトで、HyperChemとのインターフェースを開発したのは富士通九州システムエンジニアリング(FQS)。

 ソフト価格は、HyperChem本体が40万円(教育機関・官公庁向け20万円)で、Q-Chemが20万円(官公庁15万円、教育10万円)、MOPAC2000が44万円(教育22万円)。KGTでは、Q-Chemとのセットに関して、来年3月末まで45万円のキャンペーン価格で販売する。