OMG代理店各社が協調展開へ

製品群統合で総合力発揮

 1999.11.25−欧州のコンピューターケミストリーシステム(CCS)最大手ベンダー、オックスフォードモレキュラーグループ(OMG)の製品を扱う国内代理店五社が販売面で協業することで合意、富士通とソニー・テクトロニクス、帝人システムテクノロジー(TST)が医薬品開発向けソリューションで、TSTと三井情報開発がバイオインフォマティクスでそれぞれ共同マーケティングを開始した。OMGはここへ来て、買収・合併で拡大した製品体系の統合を図りつつあり、日本側もグループとしての総合力を発揮することを期待されている。

 OMGは積極的なM&A戦略で知られるCCSベンダーで、そのため国内では買収のたびに代理店が増えるという状況になっている。これまでのところは各製品がそれぞれ独立性を保っていたので、代理店は従来通りの製品を扱っていればよかったが、いざ製品の統合が進みはじめるとOMG側の戦略を日本市場に当てはめにくいという問題点があった。

 OMGはこのほど、“ダイヤモンドディスカバリー”と銘打ち、創薬ソリューションの統合に着手。データベース(DB)管理システムの「RS3ディスカバリー」を核に、コンビナトリアルケミストリーの機能を持つ「Chem-X」、構造活性相関などの解析を行う「Tsar」、大量のデータをビジュアル化してリード化合物の探索を容易にする「DIVA」が相互に連携できるようにし、来年第2・四半期から新たに提供する予定。

 それに合わせ、日本側ではRS3を富士通が、Chem-XをTSTが、TsarとDIVAをソニー・テクトロニクスが担当し、共同で販売活動とユーザーサポートを行っていく。

 一方、バイオインフォマティクス分野では、遺伝子解析の120を超えるプログラムを集めた「GCGウィスコンシンパッケージ」を共通に操作できる環境として「OMIGA」が機能強化されており、両製品の連携で高機能を簡単に駆使できるようになった。前者を三井情報開発が、後者をTSTが担当し、相互に紹介販売を行うことにしている。