MDLがLitLink/プロサーバー2.0を発売

4,000以上のジャーナルを含め、リンクをカスタマイズ可能に

 2000.06.06−ケムインフォマティクス分野の最大手ベンダーである日本MDLインフォメーションシステムズは、化合物や化学反応情報のデータベース(DB)などからそのデータに関する特定の引用文献や参照文献、各種関連情報などに簡単にアクセスするためのハイパーリンクを提供するソフトウエアの最新版「LitLink/プロサーバー2.0」を販売開始した。インターネット経由でリンク可能なオンラインジャーナルが4,000以上に増加しているとともに、接続先などをユーザーが自由に設定できる機能が実現されたため、過去の実験や研究情報など社内に蓄積した文書をイントラネット経由で統合的に扱うことが可能。化学や医薬の研究者にとって、生産性の高い研究環境が実現できる。

 MDLの統合化学DBシステム「ISIS」または兄弟会社のバイルシュタインのDBシステム「CrossFire」から、ボタン一つでリンク先にジャンプできる。このシステムの販売は、総代理店のCTCラボラトリーシステムズを通して行われる。

 LitLinkには、インターネット上のオンラインジャーナルへのリンクを埋め込んだLitLink/スタンダードサーバーと、ユーザーが自由にリンク先をカスタマイズできるLitLink/プロサーバーがあり、スタンダードサーバーの方は昨年の春から販売されている。プロサーバーは今回がファーストリリースとなる。

 今回のLitLink/プロサーバー2.0にはスタンダードサーバーが含まれているが、その機能も強化されており、MDLの親会社であるエルゼビアサイエンスのオンラインサービス“サイエンスディレクト”の1,000ジャーナルをはじめ、“アドニスジャーナルコレクション”、“英王立化学会”、“ChemWeb.com”、“SwetsNet”などの合わせて4,000以上のジャーナルへのアクセスが可能。また、特許情報にもリンクしており、米国および欧州の特許庁、IBM知的所有権ネットワークの情報が利用できる。ただ、実際にその引用文献などの中身をみるには、それぞれのオンラインサービス提供先との契約が別途必要になる。

 これまでのハイパーリンクは単純に一方向に進むものがほとんどで、例えば特定のアプリケーションの中だけでのリンクや、特定のアプリケーションから外部のソースへの単純な垂直方向のリンク、ソース間の単純な水平方向のリンクなどに限られていた。しかし、LitLink/プロサーバー2.0ではユーザーはウィンドウズやウェブ、Javaなどのさまざまなアプリケーションから、自由に設定したサイト上のドキュメントへ直接リンクすることが可能。リンク先のドキュメントには、複数のLitLinkサーバーを介してさらに引用や参照先を設定してつなげていくことができる。

 現場の研究者にとっては、図書室に出かけて捜したり、手間をかけてオンライン上で検索したりしていた文献調査の時間と労力が大幅に削減されることになる。また、研究所の管理部門にとっても購読するジャーナルを一括で設定して管理できる利点があるほか、システム部門にとっても開発が柔軟かつ効率良く行えることがメリット。

 動作環境は、SGI(IRIX)サーバーに、ネットスケープエンタープライズサーバー3.51以上、JRunプロ2.3以上、オラクル8.0.5以上となっている。近く、ウィンドウズNTとソラリスもサポートする予定。

 なお、MDLは、www.litlink.comを開設して、LitLinkに関する最新情報やデモンストレーションを公開している。