オートデスクが3次元モデリングCAD「Inventor」

即日稼働の使いやすさを実現

 2000.04.20−オートデスクは、独自のアダプティブテクノロジーに基づくウィンドウズ版機械系3次元CADシステム「Autodesk Inventor」(オートデスク・インベンター)を開発、日本語版を5月15日から発売する。トレーニングいらずの使いやすさやパフォーマンスの高さ、ネットワークを使ったチーム設計への対応などが特徴で、ソフト価格はフルシステムで98万円(教育機関向け25万円)。初年度2,000本の販売を見込んでいる。

 3次元モデリングCADシステムは、パラメトリック設計などの数学的知識が求められることや操作が難しいことなどから、下流の製造工程に対して精密な形状データを提供する形状定義ツールのような使い方が多く、設計者の発想やイメージを刺激する本来のデザインツールとして使われるケースが少なかった。また、システムが大きくて重くて遅いということから、大規模なアセンブリーモデリングには実用に耐えないという問題もあったという。

 新製品のオートデスク・インベンターは、独自のアダプティブテクノロジーにより、設計者が複雑な数式や拘束条件、コマンドに振り回されることなく、本来の設計作業に集中できることを目的に開発された。その日から業務で活用できる“即効性”があるほか、大規模アセンブリーのロード、表示、編集、保存が2−10倍高速になっている。

 また、インベンターで設計したモデルデータをANSYSやMSC、メカニカルダイナミクスなどのシミュレーションソフトで解析したり、パストレースやNCマイクロのCAMソフトに受け渡したり、スマートソリューションズのPDMで管理したりすることも容易。

 同社には、すでに機械系3次元CADで「AutoCADメカニカルデスクトップ」があるが、新製品のインベンターに関しては、これから新しく3次元CADに取り組むユーザーに薦めたいという。既存の2次元AutoCADユーザーが3次元CADを統合したいというニーズにはメカニカルデスクトップの方をメインにしていく。

 販売は、代理店の中でもインベンター専門部隊を組織した大塚商会、オービック、クボタ、三菱電機エンジニアリングなどが中心になって行う。