マイクロソフトがWindows XPを正式発表

価格体系を公表、個人ユーザー向けサポートも強化

 2001.09.20−マイクロソフトは19日、次期OS(基本ソフト)である「Windows XP(Windows XP)日本語版」の製品発表を正式に行った。企業およびパワーユーザー向けの「Windows XP Professional」と家庭向けの「同Home Edition」の2種類のパッケージがあり、推定小売り価格はそれぞれ通常版が3万5,800円と2万5,800円。Windows98以降からのアップグレード版は2万3,800円と1万3,800円。Windows2000の時よりも15%程度安くなっている。また、日本だけの特別アップグレードとして、Windows2000 Professionalから1万5,800円で移行できるパスを来年2月までの期限付きで提供する。

 同社ではWindows XPをブロードバンド時代のウィンドウズと位置づけており、Windows2000をベースにした完全32ビットのエンジンを備えている。新しいユーザーインターフェースと映像や音楽を楽しむための基本機能を搭載した「ホームエディション」に対し、「プロフェッショナル」は強固なセキュリティ、強力なモバイル機能、ネットワークとの連動など、企業ユースでのさまざまな機能を盛り込んでいる。

 パソコンメーカーからプレインストールされるのは基本的には「ホームエディション」になるが、BTOで「プロフェッショナル」を選択できる場合もあるようだ。ボリュームライセンスは「プロフェッショナル」のみで提供されるが、現実的には企業が「ホームエディション」のプリインストールマシンを購入して「プロフェッショナル」に変更したいという要望が出たり、家庭内でも2台目や3台目のマシンに対してボリュームライセンスを望んだりすることが考えられるため、発売日までにはさらに細かな検討が行われる可能性もあるという。

 以前のウィンドウズ時代のハードウエア/ソフトウエアの互換性にも考慮しており、デバイスドライバーはWindows95時代からの1万2,000種類以上の周辺機器を標準でサポート。 Windows2000以降の新しいドライバーも5,900種類内蔵しており、現時点で店頭販売されている周辺機器の60−70%、パソコンハードメーカー製品の80−90%を網羅しているという。また、プレリリース版による動作検証の段階では42社のソフトウエア製品、17社のハードウエア製品のXP対応が確認されている。

 また今回、個人ユーザー向けのサポートを強化する。最初の問い合わせから90日間限定だった無償サポート期間を無期限に延長し、OSのインストールに関しては完了するまで何回でもサポートを受けることができるようにした。操作法などの通常の質問に関しては、「プロフェッショナル」で3件、「ホームエディション」で2件までの無償サポートを提供する。

 ライセンス認証に関しては、ユーザーは最初の起動から30日以内にインターネットまたは電話によって登録を行う必要がある。不正コピーを防止し、OSを1台のパソコンにしかインストールできないようにするための制度である。10種類のキーでパソコンの構成を管理しており、最初の起動から120日以内でそのうちの6種類以内の変更であれば、再度のライセンス認証は必要ない。

 一方、インテルの64ビットプロセッサー「アイテニアム」をターゲットにした「Windows XP Professional 64-bit Edition」も同時にリリースされる。ただ、こちらはマイクロソフトからパッケージとして提供される予定はなく、各ハードベンダーから将来に発売されるアイテニアムマシンへのプレインストール版だけとなる。

 32ビットOSは、物理メモリーと仮想メモリーを合わせて4ギガバイトまでしか管理できないなどの制約があり、科学技術計算用途で不満足な点もあったが、今回の64ビット版XPは物理メモリーで16ギガバイト、仮想メモリーで16テラバイトまでのメモリー空間を活用することが可能。エンジニアリング分野の高度な要求にも十分に応えるという。