日立ソフトが汎用イースト菌DNAチップ/マイクロアレイを発売へ

日本ガイシのセラミックポンプ方式で生産・量産化

 2001.11.21−日立ソフトウェアエンジニアリングは、日本ガイシと提携し、イースト菌の遺伝子を搭載したDNAチップ/マイクロアレイを来年1月に発売する。ガラス基板上に6,400個の遺伝子を乗せたもので、日立ソフトがデザインしたチップを日本ガイシが一手に生産し、販売は日立ソフトが独占的に行う。パソコンのプリンターなどに応用されている“セラミックポンプ方式”を採用した新しい製法のチップで、生産性も高い。日立ソフトは複数の製造技術を駆使できる強みを生かし、用途に応じた展開を図っていく。

 日立ソフトは、関連会社のDNAチップ研究所を通して、すでに6,000個のORF(オープンリーディングフレーム)を乗せたイースト菌チップを1枚5万円で量産しているが、この生産には独自開発の製造装置(スポッター)の「SPBIO」(商品名)を利用している。今回、日本ガイシと提携して売り出すのはそのバージョンアップ版で、中身の見直しも含めORFを6,400個に増やした。

 日本ガイシのセラミックポンプ技術は、インクジェットプリンターにも応用されているが、遺伝子を打つために試料を吐出する速度やタイミングなどを精密に調整し、DNAチップ/マイクロアレイを製造する技術として完成させた。打ち出す速度が速いと、試料がドーナツ状に広がってしまい、ハイブリダイゼーションが行いにくいなどの問題がある。そのため、試料をノズルのところに一旦溜めてゆっくり落とすというような工夫が凝らされているという。ただ、この装置を外販する予定はないようだ。

 日立ソフトでは、どちらかというとスポッター式は多品種少量、セラミックポンプ式は少品種多量に向いていると位置づけており、用途に合わせて製法を使い分けていく方針。セラミックポンプ方式によるDNAチップ/マイクロアレイの第2弾はラットを予定している。