富士通がネットラボラトリー上にMOPAC研究会を開設

研究者間の情報交換・情報発信を奨励、ライブラリーダウンロードも

 2002.01.24−富士通は、科学者・技術者のためのインターネットポータルサイト「ネットラボラトリー」(http://www.netlaboratory.com)のインフラを生かし、分子軌道法ソフトウエアMOPACのユーザーが自主的に利用できる情報交換の場として「MOPAC研究会」を発足させた。インターネット会議室(BBS)のスタイルで自由な話題で討論できるほか、各種の資料やプログラムライブラリーのダウンロードなども行える。計算化学に関心があれば、だれでも無料で参加できる。

 MOPACは半経験的分子軌道法の代表的なソフトウエアで、全世界で数万人以上の化学者が使用している。富士通が著作権を持っており、最新版の「MOPAC2002」は昨年10月末に出荷された。たん白質や高分子の溶媒中における立体構造や電子状態をシミュレーションできるのが特徴。

 今回のMOPAC研究会は、MOPACを中心とする計算化学分野の研究者間の情報交換と情報発信の場となることを意図したもの。以前から要望が多かったため、ネットラボラトリーのインフラを活用する形で立ち上げた。

 BBSのスタイルで、解析結果の紹介、技術評価、問題点などさまざまな話題について話し合うことができるほか、ダウンロードコーナーでは山口大学工学部応用化学工学科の堀憲次教授が開発した遷移状態探索ソフトを入手できる。BBSには、堀教授に加えて、MOPACの専門家である東京工業大学大学院理工学研究科の川内進助手(有機・高分子物質専攻)も討論に参加するという。今後は、ライブラリーを充実させるとともに、実世界での研究会やセミナー開催なども予定している。

 入会は無料だが、まずネットラボラトリーにユーザー登録(無料)する必要がある。ネットラボラトリーの会員IDを使って、電子メールで事務局にMOPAC研究会への入会希望を伝えたのち、研究会のウェブページにアクセスできるようになる。登録確認後は、ネットラボラトリーのトップページから、プライベートスペースを示す「サークル」のバナーをクリックすることによって、研究会のサイトに進むことができる。