日本MDLがレポート作成の自動化ツールを発売

クエリー作成から検索・レポーティングまで一貫処理

 2002.02.09−ケムインフォマティクスの最大手ベンダーである日本MDLインフォメーションシステムズは、研究者のレポート作成業務を大幅に効率化する「ISISレポートマネジャー」(商品名)を発売した。化学構造式や分子モデルを含んだ文書をワードやエクセル、PDF、XMLなどの各種ファイル形式で自動的に出力することができ、電子ドキュメントとして社内で情報共有することが容易になる。ウィンドウズで動作するクライアントソフトで、価格は1ライセンス約2,000ドルとなっている。

 ISISは、化合物情報や実験データなどを一元管理できる統合化学データベース(DB)システムで、オラクルを核にしている。ISISレポートマネジャーは、試薬の在庫や合成した化合物などの管理レポート、研究の進捗状況および実験結果などの報告書作成、研究戦略会議などの議事録作成−といった幅広い業務を支援できる。

 基本的には、コントロールセンターと呼ばれる専用クライアントソフトからすべての機能を簡単に活用することが可能。接続するオラクル内のDBを選択すると、そこに格納されているテーブルとそれぞれのフィールド情報が一覧できる。必要なフィールドを選び、フィルターをかけて検索条件を指定する。さらに、出力するファイル形式をテンプレートから選ぶだけ。つまり、クエリー作成から検索、レポーティングまでを全自動で行うことができる。

 反応式の検索や部分構造検索ができるほか、サーバー上のDBを変更することなくテーブルやフィールドの名称をレポートマネジャー側でわかりやすく日本語で表示させることができるため、一般の研究者や管理者でも簡単に扱える。出力ファイルは、XML、HTML、PDF、テキストのほか、マイクロソフトのワード、エクセル、アクセスをサポートしている。もとになるソフトがパソコンに入っていなくてもその形式のファイルを作成可能。文書のなかに構造式や三次元分子モデル(ChimeProを利用)を埋め込むことができるなど、化学分野の特殊なレポーティングニーズに応えている。また、テンプレートを利用することで、ユーザー独自のスタイルで文書化を行うことも容易である。

 同社では、直販でこのソフトの販売に取り組む。ISIS以外にもオラクルDBへの自由なアクセスが可能になるため、全社的なレポーティングツールとしての位置付けでの採用も働きかけていく。