2002年春季CCS特集:ISI/ダウエント

ウェブ経由で学術調査、生産性の高い研究環境を提供

 2002.06.20−ISIとダウエントは、カナダを本拠にした金融から科学技術までの情報サービス企業群であるトムソングループを構成する2社。化学・バイオ関連分野においては、学術文献情報のISI、特許情報のダウエントが両輪となり、研究開発を強力に支援する情報環境を提供している。ともに、インターネットベースで詳細な検索が可能となっており、今後は両社のコンテンツの有機的連携をますます深めていく考えだ。

 文献や特許の調査は、以前は検索の専門家に依頼して行う業務だったが、インターネット時代となって個々の研究者の情報を活用する力が強化され、確実に利用者が広がってきているという。とくに、ISIが提供する「ウェブオブサイエンス」は革新的な文献調査法として広く認められつつある。これは、学術論文の引用情報をたどることによって体系的な知識を収集することを容易にするもので、文献の孫引きだけでなく親引きもでき、同じ引用文献を持つ別の文献を検索することも可能。

 化学反応データベース(DB)と化合物DBにアクセスできる「ISIケミストリー」との連携により、研究者は膨大な“書庫”をいながらにしてインターネット上で自由に利用することができる。

 一方、ダウエントが提供する特許情報は、40ヵ国以上の特許発行機関から得た情報をもとに、専門的な学術スタッフの目で独自に分類・整理したDBからなっており、簡潔で的を射た抄録が付けられていることで評価が高い。

 とくに、遺伝子関連特許を集めた「GENESEQ」はゲノム創薬に取り組む国内の製薬会社のユーザーが多い。今回、インターネット上でも利用可能となり、さらなる拡大が期待されるところ。また、ナノテクノロジー特許の速報サービスにも関心が高まっている。