コンフレックスがインターネットを利用して無料お試しサービス

CONFLEX2000の機能性を評価、50原子まで無料で解析

 2002.05.09−コンピューターケミストリーシステム(CCS)専門ベンダーのコンフレックス(本社・横浜市中区、大田一男社長)は、国産の配座探索システム「CONFLEX2000」(商品名)普及のための新戦略として、インターネットを利用した無料お試しサービスを開始した。配座異性体の最適化構造をもれなくみつけ出すためのソフトで、その機能性や実用性を実際に評価してもらうのが狙い。原子数が50個までの分子を対象とし、無料で計算サービスを提供する。将来的には、今回構築したシステムをそっくりパッケージにして製品化する計画もある。

 CONFLEXは、豊橋技術科学大学の後藤仁志助教授らのグループが開発したソフトウエアで、同社が製品化して販売と商用サポートを提供している。化合物の分子構造を少しずつ変形させながら解析することで、化学的に重要な配座異性体を網羅的に探索する機能を持っている。マッキントッシュやLinuxのクラスターに対応した「パラレルCONFLEX」と呼ばれる並列バージョンも用意されている。

 今回のサービスは、CONFLEXをまだ使ったことがない研究者にその機能性を体験してもらい、実際の研究に役立つことを知ってもらうことが目的。ただ、CONFLEXはサイエンティフィックな研究ツールであり、単純に体験版をダウンロードしてだれでもそのまま使いこなせるという性格のものではない。そこで、インターネットを介したお試しサービスという形を試みることにした。

 同社ではこのために専用サイトを立ち上げており、利用希望者はhttp://www.conflex.netにアクセスして登録を行い、まずIDとパスワードを取得する。実際の使い方は、解析したい分子構造のファイル(molファイル形式)をアップロードするだけ。解析目的として構造最適化、振動解析、配座探索を指定できるほか、計算の各種パラメーター設定も行える。計算結果はJavaで出力されるので、ブラウザー上でグラフィカルに確認したり、出力ファイルを保存したりすることも可能。また、解析に時間がかかる場合は計算状況を照会することもできるようになっている。

 今回のシステム全体は、企業内で運用できるイントラネット版としても利用できるため、同社ではこれをパッケージ化して外販することも検討していく。