住商エレクトロニクスが結晶構造グラフィックソフトを発売

豪クリスタルソフトと販売提携、Windows版待望のニーズに応える

 2002.10.02−住商エレクトロニクスは、豪クリスタルソフト社(本社・ビクトリア州、アンソニー・ジャーン社長)と販売代理店契約を締結、ウィンドウズ版結晶構造グラフィックソフト「Crystal Studio」(クリスタルスタジオ)の販売を開始した。パソコンの画面上に簡単な操作で美しい結晶構造を作成することができ、論文作成やプレゼンテーションに活躍する。結晶学、電子顕微鏡、材料科学、固体物理、無機化学などの研究や教育にも役立ち、ソフト価格は16万7,000円から。初年度200本の販売を見込んでいる。

 今回、住商エレクトロニクスが販売するのは今年の3月に出荷開始されたばかりの最新バージョン4.0。最初のバージョン1.1は1999年6月に出されており、これまでに数百本の販売実績があるという。クリスタルソフト社のホームページ(http://www.crystalsoftcorp.com)に載せられているカスタマーリストによると、すでに日本国内にも大学・官公庁を中心に多くのユーザーがいるようだ。ただ、正式に代理店契約を結んだのは今回の住商エレクトロニクスが初めてになる。

 同社は現在、英クリスタルメーカー社の「Crystal Maker」(クリスタルメーカー)を取り扱っており、人気商品になっているが、これはマッキントッシュ専用であるため、ユーザーの間からはウィンドウズ版で同等の機能を持つ結晶構造グラフィックソフトを求める声が高かった。

 Crystal Studio自身も、かなりCrystal Makerを意識して開発されており、機能もほとんど似通っているという。ただ、Crystal Studioの方は、結晶構造から粉末X線回折パターンを予測する機能が標準で組み込まれているなどの違いがある。(別表「Crustal MakerとCrystal Studioの比較」を参照)

 また、内蔵データベースが充実しており、マウスクリック5回以内で写真画質の三次元グラフィックを作成可能。光源や彩色の設定も自由で、生成した画像を各種のウィンドウズアプリケーションで利用できるほか、そのまま印刷物に使用できる600/1,200dpiの高精細なビットマップ画像ファイルを出力することもできる。

 パッケージとしては、スタンダード版とプロフェッショナル版の2種類があり、価格はそれぞれ16万7,000円と18万5,000円。アカデミック向けは同じく13万1,000円と14万9,000円になる。なお、住商エレクトロニクスの科学技術ソフト専門ショッピングサイト「ネットサイエンス」から15日間使用可能なデモ版が入手できる。URLはhttp://www.netscience.ne.jp/comid/engin/crystal/index.html

CrystalMakerとCrystalStudioの比較

     CrystalMaker CrystalStudio
動作OS Macintosh専用 Windows専用
収録されているサンプル数 約500 約1,100
アニメーション 可能 可能
ディフラクションパターンの解析・表示 オプションにより可能 単体で可能