STSがバイオインフォ市場向けに半導体ディスク装置を発売

ウィンドウと販売提携、大量データ処理を高速化

 2002.11.09−サイエンス・テクノロジー・システムズ(略称=STS、本社・東京都渋谷区、福島信弘社長)は、バイオインフォマティクスや分子シミュレーションなどのアプリケーションを対象に、ウィンドウ(本社・大阪府吹田市、芦辺多津治社長)の高速半導体ディスク装置「Qikシリーズ」を提供するため、このほど販売代理店契約を締結した。大量のデータ処理におけるディスク装置のボトルネックを解消できるのが特徴で、研究スピードの向上に寄与するという。

 Qikシリーズは、米プラティパステクノロジーが開発したシステムで、半導体を記憶媒体として使用することにより、通常の磁気ディスク装置に比べて数百倍の入出力トランザクション性能を発揮する。独自開発の特許技術であるPCIダイレクトバス接続でコンピューターに組み込まれるため、SCSI接続と比べても高速なデータ転送を実現。バックアップ用の磁気ディスクとUPS(無停電電源装置)を二重化するなど、データの安全性も高い。また、記憶媒体には汎用のDIMMモジュールを使用するため、比較的低価格なことも特徴。Windows、Linux、UNIX、MacOSなどの各種OS(基本ソフト)環境に対応している。

 ラインアップは、最大容量8ギガバイトのQikDRIVE(160万円から)、8ギガバイトを8台まで接続できるQikDATA M1(400万円から)、16ギガバイトを8台まで接続可能なQikDATA X3(975万円から)があり、ファイバーチャネル接続のSAN(ストレージエリアネットワーク)型ソリューションも用意されている。

 STSが実施したベンチマークによると、約1,750万レコード(約8.2 ギガバイト)のGenBankのデータベースをQikDATA上に配置して、1,500塩基のクエリーでNCBI-BLASTによるホモロジー検索を実行させたところ、一般的なサーバー内蔵ディスクに比べて最大300%の高速化を達成した。高速なRAIDディスクと比較しても約40%高速だったという。