CCS特集:サイエンス・テクノロジー・システムズ

専門ノウハウを駆使して広範なサービス提供、自社パッケージ開発も推進

 2003.06.26−サイエンス・テクノロジー・システムズ(STS)は、バイオインフォマティクスに特異なノウハウを持つ技術者集団から発展した専門ベンダー。ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)やグリッドコンピューティングなどの構築・サポート、実際に研究員を派遣しての研究支援、研究プロジェクトのコーディネーションまで幅広いプロフェッショナルサービスを提供している。

 同社は、昨年5月に第三者割り当て増資を行い、伊藤忠商事、CTCラボラトリーシステムズ、日本ヒューレット・パッカード、東京リース、日本オラクルを株主に加えて、本格的な事業体制を整えた。実質的な初年度に当たる今年の6月期は計画通りの売り上げ25億円を達成できる見通しであり、まずは順調なスタートを切ったといえそうだ。

 とくに、大きかったのが関連するハードウエアの売り上げ。大学・官公庁がメインだが、計算センターのリプレース案件などにともなってシステムインテグレーション(SI)サービス、データベース構築、コンサルティング、運用管理サポートなどの実績が拡大した。

 また、同社は単なるシステムベンダーではなく、CCS関連の研究のスキルも持っているので、各種のプロジェクトへの研究員派遣も積極的に行っている。プロジェクトメンバーの立場からサポートを行うので、同社の存在感は非常に大きい。

 今年は、計算化学の定番ソフトであるGaussianの5年ぶりのバージョンアップがあったことから、あらためて高速計算の需要が盛り上がるともみられ、最新のHPC環境の提供を通じて、ユーザーの研究をバックアップしていく考えである。

 一方、自社開発製品の展開も徐々に進めたいとしており、6月末には第1弾として試薬管理システムを製品化する。個人やグループで使用できる簡便で低価格なレンジを狙っており、バーコード入力による業務効率化、電子天びんからのデータ自動取り込み、FDAの21CFRパート11対応などの特徴を持っている。パソコン3台のネットワーク構成で、マスターデータの登録サービス込みでソフト価格100万円という低価格を予定しており、試薬管理の繁雑さに悩んでいるユーザーには朗報となりそうだ。