2004年春季CCS特集:ベストシステムズ

ハード・ミドル・アプリまでの総合展開、グリッドの提供に力

 2004.06.30−ベストシステムズは、CCSに最適なハードウエアからミドルウエア、アプリケーションの提供まで、総合的な事業展開を目指す。

 とくに、スペインのグリッドシステムズが開発したinnerGRIDは、欧州で最大のシェアを持つグリッドコンピューティングシステムで、UNIX、Linux、Windows、MacOSといった異機種環境を束ね、稼働率の低いコンピューターをみつけて自動的に処理を割り振ることが可能。

 BLASTやAutoDock、GAUSSIANなどのアプリケーションがあらかじめ利用できるようになっているが、コマンドラインから起動可能なプログラムであれば、簡単に組み込むことができるという。エクセルと直接連携できるAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)も用意されている。

 また、今年4月にはスーパーコンピューターメーカーの米クレイ社との代理店契約を締結しており、計算化学の大規模需要にもスケーラブルに対応できるようになった。

 アプリケーション面では、自社開発のMolWorks関連事業も順調に展開中。昨年10月にバージョン2.0をリリースしたが、最近では海外からのダウンロードも多い。現在はソフト自体は無償だが、顧客の要望に応じて特定の物性推算機能を個別に追加し組み込むことを有償で行っているという。ニューラルネットワークを用いて分子のマクロな性質を予測するもので、3−5年後にそれらが製品版に正式導入される可能性もあるということだ。

 海外の製品では、米キューケム社の量子化学計算ソフトQ-Chemに力を入れる。AMDの64ビットオプテロンマシンへの移植・最適化を進めており、今年の夏ごろにはハード・ソフトのセットでのシステム販売を開始する計画だ。