2004年春季CCS特集:サイエンス・テクノロジー・システムズ

北海道に子会社設立、北大との共同プロジェクト推進

 2004.06.30−サイエンス・テクノロジー・システムズ(STS)は、バイオインフォマティクスや計算化学などの高度な技術力を背景に、高速計算環境のシステム構築から学術レベルの共同研究・受託研究まで、同社ならではの専門的なサービスを提供。3−4年先に株式公開することを目指して、事業拡大を積極的に進めている。

 現在、同社は北海道大学を中心に推進されている文科省プロジェクト「糖鎖機能を活用した新産業育成支援」に参画しており、今年の4月にはその成果を事業化することも見越して子会社「北海道STS」を設立した。このプロジェクトは2003年度からの5年計画だが、昨年12月には機能糖鎖データベースの公開を開始。STSはナノテクノロジー関連でも北大との共同研究を展開しており、将来的には北海道STSを拠点にさまざまな事業計画を温めているようだ。

 同社は、研究現場で実際の研究者らと働きながら具体的なニーズを把握することに務めており、そうしたポジションを生かして開発したパッケージ製品もラインアップしている。

 昨年に試薬管理システムReatopを製品化したのに続き、このほど検体・試験管理システムTDAMSの販売も開始した。どちらもパソコンでバーコードを使って簡単に管理できることが特徴で、現場の研究者にとって使いやすいシステムに仕上がっている。

 とくに、新製品のTDAMSは、細胞や血液などの検体を用いた各種試験を、そのプロジェクトフローとともに一元管理できることが最大の特徴。Reatopは電子天びんと、TDAMSは質量分析装置とデータ連携できるようにつくられており、データ収集にも手間がかからない。

 21CFRパート11やGLPといった法規制にも準拠しており、同社としては創薬などの研究段階から開発段階へとサポートステージを広げる狙いがあるという。