英インテリドスが創薬・バイオ研究向け情報アクセスツール

各種情報ソースをウェブページとして表示、ユニークな検索機能を備える

 2004.08.31−英インテリドス(アンドリュー・ペインCEO)が、医薬・バイオ分野の研究開発に有効な情報アクセスツール「HyperDossier」(ハイパードーシエイ)と「クエリーコンストラクター」を製品化した。研究者のための一種の情報ポータルを自由に設定・構築できるソフトで、強力な検索機能を備えていることが特徴。データベース(DB)の構造や照会言語などのIT(情報技術)の専門知識なしに必要な情報を引き出すことができる。Javaベースのウェブサーバー上で稼働し、ブラウザーで利用できるため生物系の研究者にも使いやすい。

 インテリドス(www.intellidos.com)は、独ライオンバイオサイエンスからスピンアウトした技術者チームが2002年に設立したベンダーで、現在のところは日本には代理店などは存在しないようだ。今回の情報は英国大使館広報部を通してもたらされた。

 新製品のハイパードーシエイは、ダイナミックにウェブページを生成するコンテンツマネジメントツールで、DBやコマンドラインアルゴリズム、ウェブサービスなどをソースにして、いろいろな情報に一元的にアクセスし、情報の閲覧やデータ解析などを自由に行えるようにすることができる。ページ内の構成は自由だが、例えばある化合物に関して、二次元/三次元化学構造、アッセイデータ、分子計算結果、安全性試験データ、IUPAC名称、特許情報などを表示させることが可能。

 情報を“一件書類”(ドーシエイ)として管理しておき、ハイパーリンク機能で他のドーシエイとの間を結びつけて、情報を深く掘り下げたり、異なった角度からチェックしたりすることが容易に行える。

 一方のクエリーコンストラクターは、ハイパードーシエイと組み合わせて利用できる検索ツールで、ITの専門知識を必要とせず、科学的で複雑な質問を用いることができることが最大の特徴。例えば、「5番染色体によってコードされ、ニューロトランスミッターをターゲットとするたん白質を対象としたアッセイにおいて、ドラッグライクな特性を示した分子量300から500までの化合物の中で、特定の部分構造を持ったもののリストを示せ」といった条件で検索をかけることが可能。検索には構造式を用いることもでき、グラフマッチングも可能である。

 動作環境としては、J2EE対応で、DBエンジンとしてオラクルが必要。XMLのようなノンリレーショナル型のデータも柔軟に扱うことができるという。