2005年春季CCS特集:アドバンスソフト

文科省プロ成果を商品化、ナノテク関連で好調な引き合い

 2005.06.27−アドバンスソフトは、文部科学省プロジェクト「戦略的基盤ソフトウエアの開発」(FSIS)で生み出されたシステム群を商品化し、昨年11月から正式に販売を開始している。今年度からは、新しい「革新的シミュレーションソフトウエアの研究開発」プロジェクトがスタートしており、同社では引き続きこちらにも参加してシステムの高機能化を図るとともに、商品化も順次行っていく予定。

 同社が製品化したのは6種類のパッケージだが、FSISでの実績やライセンス価格が年間1本100万円と手ごろなこともあって順調な引き合いを得ている。最も注目されているのは「Advance/PHASE」で、ナノデバイスなどの表面・界面の電子状態解析、誘電物性解析、反応経路・障壁エネルギー計算、表面拡散、触媒反応などの解析が可能。とくにアカデミック分野での導入が多いが、競合製品であるCASTEPやVASPなどと同等の地位に育てたいとしている。

 また、量子力学的手法によるたん白質の全電子計算が可能な「同/ProteinDF」は大学やエレクトロニクス関係での導入実績があり、たん白質と薬物との相互作用解析を量子力学で行う「同/バイオステーション」もその実用性が高く評価されている。古典力学で計算していた研究者たちが、量子力学でやってみたいと購入するケースが多い。

 同社の製品は地球シミュレーターにも対応。大規模計算に強い。