2005年春季CCS特集:ウェイブファンクション

教育用途で実績拡大、解説教材も作成

 2005.06.27−ウェイブファンクションは、分子軌道法をベースにした分子モデリングシステム「Spartan」を開発しており、教育用途での実績を伸ばしている。最近では、安価なスチューデント版が50本単位で導入されるケースも増えており、市場の様子は数年前の米国に近い状況だという。

 同社の日本支店は、このほど独自で「Spartanワークショップノート」を作成した。これは、開発者であるウォーレン・ヒーリー社長(カリフォルニア大学名誉教授)が実施している教育者向けハンズオンセミナーの演習部分を抜き出して書籍化したもの。構造最適化や遷移状態解析、配座解析など、Spartanを用いた実際の操作をていねいに解説している。具体的な画面操作を収録したムービーファイル付きで、CCSを使った化学教育の一例をつぶさにみることができる。

 Spartanを持っていない人にとっても有益な教材で、日本支店では今年の夏ごろに完成させ、実費程度で広く頒布したいとしている。

 また、新しい製品では「SpartanModel」が発売された。これは、スチューデント版よりもさらにエントリーレベルの製品となり、Windowsとマックの両対応でソフト価格が5,000円。国内でも年内発売予定で、教育機関には注目されそう。

 フルエディションのSpartanは、創薬分野をターゲットにした機能強化を計画中。ファーマコフォアの取り扱いも可能になる。