NECがプロテオーム解析のための統合研究支援システム

サンプル情報から解析結果まで一元管理、ウェブベースの利便性実現

 2005.04.26−NECは25日、プロテオーム解析のための総合研究支援システム「BioPrism」を開発、販売を開始したと発表した。研究室で扱うサンプルおよび実験データを統合管理することができ、たん白質解析のためのプロトコル作成からデータ解析まで研究者の作業を一貫して支援することができる。システムは機能ごとにモジュール化されており、個々の実験室の必要に応じて柔軟に選択して導入することが可能。価格は、小規模研究室向けのコンパクトモデルが300万円から、大規模研究実に対応できるプロフェッショナルモデルが500万円からで、今後3年間に100システムの販売を見込んでいる。

 BioPrismは、プロテオーム研究のためのサンプル管理、データ管理、データ解析・データマイニングなどの一連の機能を統合したもの。サンプル組織やその由来情報、実験の手順や条件、装置から得られるデータ、解析結果など、研究室で扱われる多岐にわたる情報を、サンプル管理情報データベース(DB)、プレート情報DB、実験条件DB、画像情報DB、同定結果DB−といったかたちで効率的にDB化することができる。バーコードを利用したDB化が行えるため、サンプル取り違えの防止など確実な管理が可能。

 システムはウェブベースの使いやすいユーザーインターフェースを備えており、ネットワークとウェブブラウジング機能があれば、研究所内のどこからでもアクセスが可能。ヒト由来のサンプルを扱うための政府の倫理指針に準拠しており、ユーザー権限のレベルをきめ細かく設定し、権限のない人が特定のDBを閲覧したり、サンプルを使用したりすることがないように、厳密にセキュリティポリシーを運用できるという。

 質量分析計などのデータはメーカーが異なる装置のものでも一元的に扱うことができ、外部のデータ解析ツールやマイニングツールとの連携も可能。解析結果を、公共DBの情報などとともに一度に表示させる機能も備えており、研究者の理解を多面的に助けることができるようになっている。

 そのほか、ICカードによるログイン・ログアウト、タッチパネルインタフェースなど、実験中の操作性を高めるオプションも用意されている。