スペイン・プロウスサイエンスが東京に日本法人を設立

日本語コンテンツを拡大へ、アジアの売上比率50%を目指す

 2006.03.07−新薬開発のための総合情報プロバイダーであるスペインのプロウスサイエンスは、3月1日付で日本法人「プロウスサイエンスジャパン」を設立した。代理店のユサコと協力して、ポータルサービス「インテグリティ」の普及を推進することに加え、本社で展開している医師向けの教育事業や製薬会社向け創薬支援事業の立ち上げにも取り組み、2010年には本社と同様に三本柱での事業基盤を確立する。また、日本法人をアジア地域の拠点として、韓国や中国などへも事業を広げていくことにしている。

 同社は1958年に設立された学術雑誌の出版社だが、現在では65%が電子媒体。とくに総合ポータルサービスの「インテグリティ」は、世界中の大小の学会で発表された情報や、年間1,500誌以上の学術雑誌、日米欧などの世界の特許庁からの関連情報、監督官庁からの最新情報、広範囲な企業情報などをもとにしたデータベース(DB)コンテンツサービスを提供している。

 コンテンツの拡充には積極的で、昨年から開始した「デイリードラッグパテント」に続き、今年からは「ダイナミックドラッグモノグラフ」や「デイリードラッグターゲット」などをスタートさせる。また、高速インターネット環境を使った映像コンテンツ配信でも特徴を発揮している。

 社員は約200人で、地域別の売り上げは、欧州が35%、米国27%、日本32%という構成。日本に対しては2001年に事務所を開設し、2003年から専任者を置き、徐々に人員も増員してきた。今回は、この東京事務所を格上げし、正式に現地法人化したもの。所在地は東京都千代田区二番町4−5、住友不動産麹町ビル2号館5階。電話 03-5276-2660。社長には、本社の日本人スタッフである近藤義広氏が就任している。

 同社では、今回の法人設立を機にさらなる日本語化を進める計画で、昨年に全体の2割だった日本語コンテンツを今年は3割に、2010年には4割、2015年に5割へと高めていく。また、2010年までには東京から統括するかたちで韓国とシンガポールに拠点設立、2015年には中国やインドへも進出していきたいとしている。それに合わせて、アジアの売上比率を世界の50%にまで引き上げたいという。