CCS特集2006年春:ベストシステムズ

今夏にグリッド対応を実現、海外製品の販売も開始

 2006.06.30−ベストシステムズは、国産の分子設計支援システムを機能強化し、グリッドコンピューティング環境に対応した「MolWorks+G」を今年の夏に製品化する。2002年から無償で提供してきたソフトだが、最新版も引き続き無償とし、広範な普及を優先させる計画。高速計算環境を実現するグリッドシステムの構築支援で収益を得ていく作戦である。

 グリッド環境では、アプリケーションをつくり直すというよりも、うまく計算を分散させるためのスケジューリング技術がポイントになる。同社では、ウィスコンシン大学で開発されたジョブスケジューラー「Condor」の正式サポートを手がけており、このノウハウをベースにCCSに適したグリッド環境の構築サービスを展開していきたいとしている。

 そのため、MolWorksのグリッド対応を実現させる。手元のMolWorksからグリッド上に存在するGaussianなどに対して計算の指示を出し、結果を取得することなどが可能になる。

 MolWorks自体は、無償になってからやや開発が滞りぎみだったが、ここへきてあらためて体制を組み直しており、今夏のMolWorks+Gのリリースに続いて、今年度後半から来年度にかけてはグラフィック面などにも大きく手を入れていく予定。継続的な機能強化を進めていく。

 一方、新たにハンガリーのコンピュードラッグ社と代理店契約を結び、医薬物性推算ソフト「PALLAS」、医農薬開発のための知識情報システム「EMIL」の本格販売を開始した。需要の大きな創薬支援市場を狙っていく。 MolWorksの開発を通した技術力が評価されたもので、マニュアルの日本語化なども同社の方で行う。