CCS特集2006年春:プロウスサイエンスジャパン

フルラインの事業展開へ、日本法人を設立

 2006.06.30−プロウスサイエンスジャパンが、スペインの製薬業向け総合情報プロバイダーであるプロウス社の100%子会社として今年の3月に設立された。日本の顧客とより緊密な関係を築き、サポートなどに対する期待にこたえるとともに、日本ではまだ提供していないフルラインの事業展開を早期に立ち上げたいという狙いがある。

 同社の代表的なオンラインサービスが「Integrity」で、代理店のユサコを通して提供されている。薬剤/生物活性化合物、ターゲット、有機合成、実験薬理学、薬物動態/代謝、治験、各疾病の概説、企業と市場、文献、特許など、製薬会社が必要とする豊富な情報を網羅しており、どの項目で検索しても関連する情報を横断的に参照することが可能。研究の中で調査や検索にかける時間が大幅に削減されるので、研究者は創造的な業務に専念できる。

 また、プロウス製品で初のソフトパッケージとして発売されたのが「BioEpisteme」で、こちらは菱化システムが代理店となっている。プロウスの豊富な医薬品情報をもとに構築された予測モデルが組み込まれており、任意の化合物が医薬品としてどのような作用メカニズムを持つ可能性があるかを調べることができる。

 一方、欧州ではこうした企業向けコンテンツ以外にも、医師や患者・家族を対象にしたサービスを用意している。“賢い患者”として“良い治療”を受けるために、病気や薬剤の情報を体系的に知る必要があるという認識が定着しているため。

 本社を置くスペインのカタルニャ地方は遠隔医療が進んでいる土地でもあり、今回の法人設立には日本とスペインとの間で“より良い医療”へ向けての交流を図りたいという思いも込められているという。