CCS特集2006年春:住商情報システム

SYBYLを核に新展開、ドッキングソフト組み込み

 2006.06.30−住商情報システムは、米トライポスの統合CCSプラットホーム「SYBYL」を中心にした事業展開。実験データ管理などを含めたLIMS(研究情報統合管理システム)分野でも実績があるが、今年はSYBYLを核にした新たな取り組みが注目される。

 同社は、長年のトライポス製品の総代理店であり、SYBYLの開発環境にも精通している。そのノウハウを生かし、中電シーティーアイ(中電CTI)が開発したたん白質−たん白質ドッキングプログラム「GreenPepper」をSYBYLに組み込み、4月から販売を開始した。

 GreenPepperは、お茶の水女子大学の郷通子学長(当時は名古屋大学教授)らのグループとの共同研究に基づくシステムで、2002年度からの中部経済産業局の産学官共同プロジェクトを通して開発されたもの。中電CTIが製品化したが、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を持たないコマンドラインツールであるため、やや使い勝手が悪かった。

 機能としては、2つのたん白質を粗視化し、その表面形状マッチングによってたん白質−たん白質のドッキングを行うというユニークなもの。中電CTIから販売権も得て、SYBYLとセットでの提供を行う。

 その他のSYBYL関連では、たん白質の立体構造に合わせた薬物分子構造を組み立てるデ・ノボエンジン「EA-Inventor」、遺伝的アルゴリズムを利用した分子重ね合わせツール「GALAHAD」といった製品の評価が高い。

 ライセンス面では、年間使用権への移行を促進しているが、ワイルドカードで同時使用権が増えるなど、ユーザーにとってのメリットを示しながら提案活動を進めている。