日本オラクルがCRM事業体制を強化

業種別専任組織を創設、10月からオンデマンド型サービスも開始

 2006.09.30−日本オラクルと日本オラクルインフォメーションシステムズは、CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)事業を強化し、主要業種別および中堅企業専門の営業部隊を組織した。製品としても、オラクル、ピープルソフト、シーベルの3種類のパッケージに加えて、オンデマンドサービス型の「シーベルCRMオンデマンド」を10月から正式に日本市場で提供開始する。とくに中堅市場で人気が高まっているオンデマンド型をラインアップすることで市場トップの地位固めを図り、今後2年間はCRM事業全体で年平均66%の成長を目指す。

 同社では、CRM事業の営業体制を刷新し、金融、通信、ハイテク、自動車、製薬・医療、流通・サービスといった業種別展開を強化。10月からは年商100億円から1,000億円までの中堅企業を対象とする専任組織も新設する。これらの専任体制は約60人の営業とコンサルタントで構成されるが、年度内には120人へと倍増させる。

 また、新製品として提供開始する「シーベルCRMオンデマンド」は、パッケージ版と同様の機能を月額固定料金のオンデマンド方式で利用できるサービス。米国では2003年からスタートしており、3−6ヵ月ごとにバージョンアップし、現在はリリース12となっている。今回はこの最新版を日本語化した。

 シーベル製品は、12年以上にわたってマーケットリーダーの地位を維持しており、460万人(4,000社)のアクティブユーザーがいるという。これら多くのユーザーからのフィードバックを開発に反映させることで、機能面でも優れたサービスが実現できているというのが同社の主張。例えば、データウェアハウス(DWH)やデータ分析機能を包含しており、ドリルダウンによって詳しい状況を把握したり、時系列的にビジネストレンドを洞察したりすることが可能になる。料金的には、月額1ユーザーで8,750円と、先行する競合ベンダーの約半額に設定し、一気に市場への浸透を図っていく考え。

 オンデマンドでの業種別ソリューションとしても、金融、ライフサイエンス、ハイテク、自動車の4業種をカバーしている。

 拠点となるテキサス州オースティンのホスティングセンターは、東京ドーム19個分の広さ(約88万平方メートル)を持つ巨大施設で、昨年のデータセンター・オブ・ザ・イヤーを受賞した実績がある。運用体制、セキュリティ面も万全という。