マイクロソフトがWindows VistaのRC1を提供開始

対応ハード・ソフトの最終テストと認定へ、発売時期は予定通りで確定

 2006.09.14−マイクロソフトは、次期デスクトップOS(基本ソフト)である「Windows Vista」のベータプログラムを完了し、ソフト開発者やハードウエアパートナー、企業のシステム管理者、上級ユーザー向けにRC1(出荷候補版)の提供を開始した。Vista対応のハード・ソフトを準備するうえでの最終テストに利用できるもので、これにより対応製品としての認定を得ることができる。この時期にRC1が出たことで、企業ユーザー向けは今年11月、一般ユーザー向けで来年1月とされていた正式版発売スケジュールが予定通りほぼ確定した。

 今回のRC1は、ベータプログラムの参加者向けに9月6日から提供開始されており、全世界で150万部、国内では8万5,000部がすでに配布された。さらに、近日中に新たに世界で150万部の配布を行う予定。これに関しては、通常のインターネットからの無償ダウンロード、DVDメディアでの注文(実費 1,260円)、また10月からはパソコン雑誌への添付なども行い、幅広い層へと浸透を図る。RC1で提供されるエディションはアルティメットエディションとなる。

 RC1では、ベータ2と比べて、パフォーマンスとセキュリティ、マルチメディアとネットワーク機能で改善が実施されている。ベータ版で発見されたいくつかの不具合が解消されており、性能面は製品版に向けてさらなる向上を図っていく。

 とくに、今回公開されたRC1からの新機能として、起動時に最初に表示される「ウェルカムセンター」の中にWindows Liveのサービスメニューが組み込まれた。

 また、ユニークなのが「ガイドヘルプ」機能。「インターネットの一時ファイルを削除する」など行いたい操作をヘルプ画面で調べると、その操作法を逐一ガイドしてくれるというもの。方位磁石のようなアイコンがクリックするボタンやメニューの部分に次々に飛んで、次にどの操作をすればいいのかをていねいに教えてくれる。RC1では、この機能は英語だが、製品版では日本語化される。当初は、同社に対して最も問い合わせの多い30種類の操作法を組み込むが、以降はオンラインヘルプから新しいコンテンツをダウンロードするかたちで、ガイドできる操作を順次増やしていく。

 さらに、新しい「信頼性とパフォーマンスモニター」は企業の管理者などにとって有用な機能。とくに、信頼性モニターは、ソフトウエアのインストール、アプリケーションエラー、ハードウエアエラー、システムエラー、その他のエラーなどの発生を記録し、パソコンが安定して動いているかどうかを数値的に示す機能を持つ。管理者がリモートで各パソコンの状況をモニターできるので、不具合発生時などの原因究明がスピーディーに行えるという。