ノーザンサイエンスがADMETプレディクター2.0を発売

価格据え置きでモデル作成機能を統合、50種類の特性を予測

 2006.11.10−ノーザンサイエンスコンサルティング(NSC)は、米シミュレーションズプラスが開発したADME(吸収・分布・代謝・排出)予測ソフトの最新版「ADMETプレディクター2.0」の国内販売を開始した。任意の化学構造に対する約50種類ものADME特性および毒性を予測することができ、新薬開発の早い段階で候補化合物を評価したり絞り込んだりするために役立つ。これまでは別製品だった予測モデル作成機能が統合されたことが最大の特徴で、価格も据え置きとなることから、普及拡大に結びつくと期待されている。

 これまでは、自社のデータなどを使ってユーザー自身が予測モデルを構築するための「ADMETモデラー」、あらかじめ組み込まれたモデルを利用して予測を実行することに特化した「ADMETプレディクター」の2つの製品に分かれていたが、今回からその両者が統合された。

 国内の販売実績はプレディクターの方が多いが、最近では実験データが豊富になり、自分でモデルをつくりたいと考えるユーザーも増えてきていたという。ただ、費用の面から両方を導入することは難しい場合が多かった。今回の最新版は、これまでと同じライセンス料(初年度年間使用料380万円)で、モデラー(同様に380万円だった)の機能もフルに使用できるようになる。

 あらかじめ組み込まれた予測モデルは約50種類と多く、2次元あるいは3次元分子構造からイオン化定数、親油性(3種)、溶解性(12種)、透過係数(3種)、毒性(7種)など多数の特性を予測することが可能。引き続き、CYP代謝、組織/血しょう間の分離係数、その他の毒性など順次モデル開発中であり、それらも公開されしだい利用できる。

 また、フィルター機能として、リピンスキールールのほかに、新しく独自の“ADMETリスク”指標を組み込んでおり、予測した特性が望ましい範囲内にあるかどうかを簡単に評価することができる。

 一方、モデラー部分も機能強化されており、ディスクリプターの生成・絞り込み・選択、モデルのトレーニング、モデル選択などすべてのプロセスが自動化された。解析手法も、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシンに加え、カーネルPLSやMLRも利用できるようになった。