アクセルリスがインドの開発拠点を年内に閉鎖

高い退職率が問題に、欧米主体に開発体制を再整備

 2007.02.27−アクセルリスは、インドの開発拠点を年内に閉鎖し、撤退する方針を固めた。インド発の情報として通信社などが伝えるところによると、約60人のプログラマーが削減され、70万−90万ドルのレンジで損失が計上される模様。

 アクセルリスは、2003年9月ごろからインドの組織を本格的に立ち上げ、翌年の夏には100人ほどの体制で業務を進めていた。もともと、同社は多くのCCSベンダーを合併して成長したため、以前のレガシー製品を統合して新しい製品体系に移行することを急ぎたいという事情があり、開発体制をワールドワイドで強化する一環で、インドに直接の開発拠点を設けたという経緯がある。

 もう一つの理由は、プログラマーの人件費の低さで、米国の5分の1といわれることから、コスト削減にも寄与すると期待された。

 それが、今回撤退することになった理由はいくつかあるようだが、最も悩まされたのは退職率の高さだったという。CCSのプログラミングはただでさえ高いスキルが必要とされるのに、優秀なプログラマーほど定着しないという問題があった。

 また、同社では、インドではとくにバイオインフォマティクス系の製品開発を主力にする方針だったが、その後の市場の変化により、バイオインフォマティクス製品の戦略的優先度が下がってしまうという事態が生じた。

 一方で、2004年に買収したサイテジック社のミドルウエア製品「パイプラインパイロット」を開発環境にも採用した結果、開発効率が向上し、製品開発のペースが上がるという効果があらわれている。このため、欧米を中心とした開発体制を再整備することで十分にまかなえるという判断があって、インドの拠点を閉鎖するという結論に至ったものとみられる。