NECがMolStudioの販売を終了

採算面に問題、バイオIT事業全体の見直しも

 2007.04.06−NECは、分子モデリングツール「MolStudio」の販売を3月末で停止した。サポートも1年後に終了する。分子軌道法ソフトの定番であるGaussian専用のGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)として働くソフトで、1997年12月に製品化して以来の長い歴史があった。採算性が改善されず、今後の市場性も不透明なことから終息するに至ったという。

 MolStudioの最終版は2004年10月に出したバージョン4。大学などを対象にしたサイトライセンスを設けたことで、教育用途にも広がってきていた。ただ、このサイトライセンスはユーザー数無制限で120万円と安かったため、収益面での貢献は難しかったようだ。

 もともと、同社のスーパーコンピューターSXシリーズ上でGaussianを利用する際のGUIとして、SXの販売促進を目的に開発されたため、開発・販売はスーパーコンピューターの事業部門が担当していたが、昨年からバイオIT事業推進センターに組み入れられたところだった。

 同センターは、MolStudio以外にもバイオインフォマティクス系や計算化学系のシステム製品を持っており、創薬支援の受託サービス事業も行っている。しかしながら、今回、MolStudio終了の判断が下されたことで、バイオIT事業全体の見直しが進む可能性もある。