ソースネクストがウェブ上でオフィスソフトの無料サービスを提供

マイクロソフト製品との高い互換性実現、9月から正式版公開

 2007.05.15−ソースネクストは14日、ウェブ上で利用できるオフィスソフトの無料サービスを開始すると発表した。ワード、エクセル、パワーポイントと互換性のあるソフトを、ネット接続環境があればいつでもどこからでも使用することが可能。同日からベータ版を公開し、9月から正式サービスに移行する。今回のサービスは、米シンクフリー社と提携して提供するもので、最初の1年間に100万人、3年後に400万人の登録ユーザーを目指す。

 サービスの名称は、「ThinkFreeてがるオフィス」。AjaxとXML技術を利用することで、ウェブブラウザー上でオフィスソフトの機能を実現することを可能にした。開発したのは、2003年に韓国ハーンソフトに買収された米シンクフリーで、米国では2005年6月からサービス開始しているが、現在27万5,000人のユーザーがおり、約77万のドキュメントがオンライン上に保存されているという。

 マイクロソフトのオフィス製品との高い互換性が特徴だとしており、ルック&フィールも違和感のないデザインが採用されている。作成した文書はローカルにも保存できるが、1ギガバイトまで無料のファイルスペースを用意する。また、任意のファイルを特定のユーザーと交換できるようにしたり、キーワードをタグ付けしておくことで広く公開したりすることができる。

 収益モデルとしては、ユーザーが増えることでさまざまな可能性が広がると期待。広告収入のほか、有料版サービス(オフライン環境での利用に対応、オプションストレージスペースの提供など)、パッケージ版の販売などを検討中。いまのところ、有料サービスは9月から、今秋にパッケージ発売を計画しているという。マーケティングがうまく、販売力のある同社が手がけるだけに、今回のビジネスモデルが成功するかどうか注目されるところだ。

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 また、同社は、ソフトのダウンロード販売を伸ばすため、ワンクリックだけでインストールまでを全自動化させる「1クリック・ダウンストール」(特許出願中)を9月から開始すると合わせて発表した。

 現在では、ソフトのダウンロード、解凍、インストールと合計11回クリックしなければ完了しないが、新方式では1回のクリックだけでOK。ただ、最初に専用ダウンローダーをパソコンに入れておく必要がある。

 9月のサービス開始時点で200タイトル、来年3月には1,000タイトルをそろえる。発想としては、ワンクリックで音楽が購入できる「iTunesミュージックストア」を参考にしたという。