エンサークと管理工学研究所がパートナー契約

組み込みデータベースを統合、アプリケーションフレームワーク実現へ

 2007.08.24−エンサークと管理工学研究所は23日、組み込みアプリケーション開発向けフレームワークを普及させるため、パートナー契約を結んだと発表した。エンサークの組み込み用データベース「DeviceSQL」をベースにしたアプリケーションフレームワーク「kdFrame」を開発し、携帯電話や家電、自動車などの組み込みソフト開発に採用する。両社は、今回のプロジェクトを皮切りに長期的なパートナーシップを推進していく。

 エンサークのDeviceSQLは、実装サイズが24キロ−50キロバイトと世界最小水準を実現した組み込み専用データベースエンジンで、ストリーミングデータをレコードとして処理したり、メモリーとストレージにデータを最適配置したりするなど、制限の多い組み込みデバイスに適した高度な機能を持っている。幅広いプラットホーム(CPUおよびOS)に対応できることも特徴。

 周辺の開発ツールもそろっているが、基本的にはミドルウエアレベルの製品群となるため、実際のアプリケーションに合わせて個別にインターフェースをつくり込むという手間があった。その意味で、今回のフレームワークへの統合によってそのギャップを埋めることができる。

 一方の管理工学研究所は、シンビアンOSの日本語化を行うなど、携帯電話をはじめとしたモバイルデバイス向けの組み込みソフト開発で豊富な実績を持っている。今回、DeviceSQLをベースにしたアプリケーションフレームワークkdFrameを実現させることにより、組み込みソフト開発の生産性と品質の向上が期待できるとしている。

 kdFrameは、マルチタスクを前提とし、アプリケーション間での資源の奪い合いの調停や、他のアプリケーションでの操作結果による再描画の支援などの機能をフレームワーク内に組み込んでいる。電話帳、スケジュール、全文検索など、用途別のデータ(スキーマ)の使い方に着目してアプリケーションを支援する仕組みになっている。

 具体的な製品は、スキーマごとに展開して提供していく予定で、第1弾として携帯電話向け全文検索ミドルウエア「kdSearch」と検索ソフト「DigiBrownie」を今年の第4四半期に製品化する。携帯電話(スマートフォン)内のメールやスケジュール、メモのほか、ワード/エクセルなどのオフィスファイルやPDF、HTMLなどを簡単に検索できるようになる。