2007年秋CCS特集:サイバネットシステム

モデリング分野で新製品続々、プログラミングセミナー開催も

 2007.11.26−サイバネットシステムは、米オープンアイ・サイエンティフィックソフトウエアの製品群を中心にCCS事業を展開。オープンアイは、欧米でいま最も勢いのあるベンダーの1つで、開発力に優れ、新しい製品をタイムリーに提供してきている。

 同社は、オープンアイ製品を“モデリング”、“ケムインフォマティクス”、“化学データベース(DB)管理”の3つのセグメントに分け、製薬・化学企業などへの提案活動を強化中。

 やはり、タイムリーに投入される新製品が好調の要因だが、モデリング分野では8月にリリースした「EON2.0」の評価が高い。2分子間の静電ポテンシャルの類似度を比較するソフトで、最新版では塩を取り扱う機能が向上し、生体内に近い環境で高精度に類似度を検証できるようになった。

 また、同じ8月には「BROOD1.1」もリリースされた。これは、バイオアイソスター(生物学的等価体)を予測するソフトで、フラグメントベースでDBを高速に検索し、形状や化学的性質、静電ポテンシャルを用いてバイオアイソスターを探し出す。次期バージョンでは、もとになるフラグメントDBをユーザーが自分で構築できるようにする。

 さらに、昨年からの新製品「AFITT」も注目度が高い。この10月にバージョン1.3となり、新機能「FLYNN」が提供された。AFITTは、たん白質のX線結晶構造解析のためのツールであり、最新のアルゴリズムと高度な操作性で人気だが、その機能をGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)環境ではなく、コマンドラインベースで利用できるようにしたのが、今回の新しいFLYNN。バッチ処理により、連続的に解析自動化を行うことができる。

 一方、ケムインフォ分野では、ツールセットの「OEChem」が主力になるが、同社では活用のための初級プログラミングセミナーを開催して好評を得ている。C++およびPythonという標準的な言語が使用できるため、習得は容易だという。