2007年秋CCS特集:インフォコム

SBDD分野で実績リード、DB管理システムを自社開発

 2007.11.26−インフォコムは、力強い製品群に、長年の実績に基づくサポート力を組み合わせて、創薬・バイオ系を中心にした領域で独特の強みを発揮している。最近ではシステムインテグレーターとしての総合力を生かしてサービス事業にも乗り出すなど、幅広いユーザーニーズに高いレベルでこたえていく。

 主力製品は、米シュレーディンガーのシステム群。創薬支援の分野で多くの製品を有しているが、開発力に優れ、毎年そのほとんどすべてをきちんとバージョンアップしてくる。とくに、たん白質のホモロジーモデリングを行う「Prime」とドッキングソフトの「Glide」の組み合わせによる構造ベースドラッグデザイン(SBDD)ソリューションが有名で、多くの競合製品が登場したいまでもその優位性は揺らいでいない。

 それらに加え、今年もいくつかの新製品がリリースされた。まず、「PrimeX」はX線結晶構造解析ツールで、たん白質立体構造の精密化を行うことができる。Primeの技術を応用したループ部分のサンプリングや側鎖のフィッティング、Glideの技術に基づくリガンドの配置など、多くの機能を搭載している。ターゲットたん白質の精密な構造を得ることはSBDDの出発点であるという意味でも重要性が高い。

 また、「KNIMEエクステンション」は、独コンスタンツ大学で開発されたフリーのワークフローツール「KNIME」用の“ノード”ライブラリー。ノードと呼ばれるコンポーネントをつないでワークフローのパイプラインを形成することにより、シュレーディンガーのプログラムを自由に呼び出して活用することが可能。インフォコムではすでにこの開発ノウハウを修得しており、ワークフロー構築の受託などにも取り組んでいく。

 一方、6月に発表した自社開発の次世代型化合物データベース管理システム「J-STRIKE」も、市場から好感触を得ているという。コアの検索エンジンにハンガリーのケムアクソン社の技術を使用。帝人ファーマの導入事例がベースとあって、期待が大きい。