シマンテックがボットネット対策専用ソフト

ビヘイビアベースで発見・駆除、既存ウイルス対策を補完

 2007.11.30−シマンテックは28日、個人向けセキュリティソフトの新製品として、ボットネット対策に特化した「ノートン・アンチボット」を発売すると発表した。知らない間にパソコンの中に入り込み、スパム送信などを行わせる“ボット”をリアルタイムで検出し、駆除する機能を持つ。通常のウイルス対策ソフトと組み合わせて使用することができ、価格は年間ライセンス(3台までインストール可能)で3,990円。

 新製品のノートン・アンチボットは、米サナセキュリティからライセンスを受けて製品化したソフトで、当面はスイート版の「ノートン・インターネットセキュリティ」とは独立した製品として提供される。

 最近、インターネット上の脅威が犯罪目的で巧妙化するのにともない、“ボット”に感染させたパソコンを大量に利用した“ボットネット”が大きな問題になってきている。今年の上半期で、1日平均5万2,771台のアクティブな“ゾンビ”(ボットに感染したパソコン)が発見されている。アジア太平洋地域においては、中国を発信源とするボットが域内のボットの78%を占め、日本もゾンビマシンの数では同域内で第4位となっているという。

 ボットは、感染したパソコンそのものには被害を与えず、ボットネットの一員となってネットワークに攻撃を仕掛けたり、スパムメールをばら撒いたりすることに利用されるので、ユーザー自身は感染していることに気づかない場合が多いといわれる。また、キーロガーとなってパソコンの操作を記録し、入力したパスワードなどをハッカーに転送するなどの悪質なハッキング活動を行うものもある。

 今回の製品は、こうしたボットからパソコンを常時保護するためのソフト。定義ファイル(シグネチャー)を使用せず、ふるまい(ビヘイビア)に基づいた防御を実行するため、未知のボットにも対応できるという特徴がある。

 同社のノートン・インターネットセキュリティにも、ビヘイビアベースの防御機能が組み込まれているが、ビヘイビア分析のための技術が異なっており、より幅広いレンジでボットを発見・駆除することができるという。このため、既存のウイルス対策ソフトと組み合わせることで最大の効果を発揮する。逆に、シグネチャーを使用していないため、ノートン・アンチボットだけでは十分な保護にはならない。他社のウイルス対策ソフトとの組み合わせも可能となっている。

 販売は、同社オンラインストアからのダウンロード式で、価格は1年間の使用権として3,990円。ノートン・インターネットセキュリティ2008とのセット販売は1万290円。