CTCLSが製薬企業のトランスレーショナルリサーチ推進を支援

臨床データと遺伝子情報をワークフロー統合、コンサルとの連携も

 2008.02.02−CTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、製薬企業のトランスレーショナルリサーチ(TR)への取り組みを支援する事業に乗り出した。現在、臨床試験における遺伝子情報の活用というかたちでTR推進が具体化しつつあるが、長年の臨床試験の進め方に大きな変更を生じさせるものだけに、欧米のメガファーマの間でもその取り組み方には差異があるのが現状。CTCLSでは、欧米の事情に詳しい大手コンサルティングファームと手を組んで、組織づくりや推進体制などの上流のコンサルティングをはじめ、TRを支援する情報システムの構築・販売まで、幅広いサービスを行う。

 TRは、基礎研究の成果を臨床の場で評価する研究活動を指す言葉で、前臨床試験から臨床試験へとつなげる“橋渡し研究”という言い方もされる。厳密な定義は人によって異なる場合もあり、狭義には「企業ではなく医師や研究者主導で行われる臨床試験がTRである」という見方もある。

 製薬企業側からみると、新薬が生まれにくくなっているなかで、臨床試験に新たにファーマコゲノミクス手法を導入することで、新薬創出の確率を高めたいという狙いで、TRへの取り組みが進んできている。

 ただ、臨床データと遺伝子情報を解析するソフトが別々の製品であり、相互に関連付けて情報を扱うことが難しいという問題があった。そこで、同社では英インフォセンスのワークフローツール「KDR」を利用したソリューションを提供していく方針。KDEには、あらかじめ臨床データ解析に特化した「ClinicalSense」、SNPs解析などを行うための機能を盛り込んだ「GenSense」が用意されており、これを組み合わせることでバイオマーカー探索などを容易に行うことが可能になる。

 KDEは、外部のソフトやデータベース(DB)をワークフローに組み込む機能があるため、臨床試験支援システム「オラクルクリニカル」、米ジーンロジックの発現プロファイルDB、印GVKバイオサイエンスのバイオマーカー関連DBなどと統合することが可能。

 CTCLSでは、医薬品の研究から開発までの幅広いステージをカバーするシステムやサービスを多数そろえている強みを生かして、TR関連のさまざまな要望にこたえていくことにしている。同時に、欧米の先進事例に詳しいコンサルティング会社とも連携し、推進体制の構築に関する個別のコンサルティングにも応じていく。