塩野義製薬が電子実験ノートを合成部門に全面導入

米CS社製を200ユーザー規模で運用、国内最大級の先進事例

 2008.02.22−塩野義製薬は、米ケンブリッジソフト(CS)が開発した電子実験ノート(ELN)ソリューションを研究所の合成部門に全面導入した。IBMビジネスコンサルティングサービス(IBCS)がシステム構築を担当した。導入規模は約200ユーザーで、国内製薬企業ではトップクラスの先進事例になる。

 ELNは、欧米のメガファーマでは1,000ユーザーを超える導入事例もあるが、国内ではまだパイロット段階のプロジェクトが多く、合成部門に全面展開するのはほぼ初めてのケースになるという。

 同社では、ELN導入によって、研究者間での実験情報やナレッジの電子的な共有を実現し、世代間でのナレッジ継承や重複した検討内容の回避、情報セキュリティの向上を図る考え。また、自動計算機能や試薬情報の自動入力、すでに入力された構造式・反応式の再利用など、研究業務の効率化に活用していく。今後は、化合物登録システムや法規制対応システムなどとの連携を強化し、全社のビジネス環境や戦略に応じた情報システムへと発展させる。

 なお、米ケンブリッジソフトはELNのトップベンダー。IBCSは国内でこれとパートナー契約を結んでおり、今回のプロジェクトでは日本IBMと協力してシステム構築を手がけた。また、システム稼働後の運用支援も提供していく。