アフィニティサイエンスがファーマコフォアモデリング「LigandScout」発売

ワンクリックでファーマコフォア発生、洗練された操作性

 2008.04.14−アフィニティサイエンス(本社・東京都目黒区、田坂友彦社長)は、オーストリアのインテル・リガンド社(ティエリー・ランガー社長)と代理店契約を結び、簡単な操作で利用できる構造ベースのファーマコフォアモデリングソフト「LigandScout」(リガンドスカウト)を発売した。洗練された3次元グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)によってアイコンをクリックするだけでファーマコフォアのモデル化を行うことができる。Javaで開発されているのでプラットホームを選ばないことも特徴。価格は年間ライセンスで教育機関向け30万円、民間向けは要見積もり。

 ファーマコフォアは、薬物分子とターゲットのたん白質などが相互作用するにあたり、特異性を発揮する分子・官能基やアミノ酸残基など、複数の部分構造の相対的な空間配置のこと。最近の有力な創薬研究手法として注目されている。

 今回の新製品であるLigandScoutは、洗練された操作性が特徴で、3Dインターフェースと連携した2Dビューと階層ビューを備えている。画面の美しさやわかりやすさ、使いやすさで高い評価を受けており、教育用途にも最適だという。

 PDBデータ(たん白質とリガンドの複合体)を読み込んだあと、アイコンのワンクリックでファーマコフォアを発生させることが可能。詳細なパラメーター調整も可能で、ユーザーのレベルに合わせて高度な使い方もできる。また、複数の低分子化合物を重ね合わせて共通ファーマコフォアを探索する作業も簡単に実行できる。

 さらに高度な解析を行う場合には、ファーマコフォア情報を他社の高機能製品であるディスカバリースタジオ(アクセルリス)、MOE(CCG)、Phase(シュレーディンガー)に対してエキスポートすることが可能となっている。

 プログラム全体はJavaで書かれているため、Windows、MacOSX、Linuxのいずれの環境でも動作する。

 なお、アフィニティサイエンスは昨年10月に設立されたばかりのニューベンダーで、計算科学系のPCソフトの輸入販売を行っている。コンピューターケミストリーシステム(CCS)関連では、今回のLigandScoutのほか、ディスクリプター計算ツールの「DRAGON」とモデリングツールの「MobyDigs」(伊タレッタ)、分子モデリングによる創薬研究手法を学習できる教育用ソフト「モレキュラーコンセプター」(イスラエル・シナジックス)などを取り扱っている。