2008年春CCS特集:アクセルリス

サーバー製品をリニューアル、製薬以外の用途へも拡大

 2008.06.25−アクセルリスは、材料設計の「マテリアルスタジオ」(MS)、創薬支援の「ディスカバリースタジオ」(DS)、サイエンティフィックビジネスインテリジェンスを実現する基盤ソフト「パイプラインパイロット」(PP)を3本柱にして包括的にCCS事業を推進している。

 とくに、急成長を支えているのがPPで、最新バージョン7.0からはサーバープラットホーム製品が「サイテジックエンタープライズサーバー」としてリニューアルされた。PPはすでに製薬大手の8割に導入されたともいわれ、同社ではさらに幅広い市場展開を目指す方針を打ち出している。

 さまざまなタイプのデータを自在に扱えるPPの特徴を生かし、電気、半導体、自動車、化学、消費財などの業種で、多種の分析装置、多量の分析データ、多様な画像データなどを抱えて悩んでいる分野向けにソリューションを提示していく。複数のデータソースを統合し、データの処理、分析、可視化、レポーティングまでを一貫して行うことができる。

 一方、モデリングソフトはMS4.3が4月に、DS2.1が5月と、最新版が相次ぎリリースされた。MS4.3では、Mesotek(複合材料・ナノテク向けメソスケールツール)、ONETEP(リニアスケーリングDFT)、QMERA(QM/MMハイブリッド)といった新型計算エンジンを提供。DS2.1でも、QM/MM(量子力学/分子力学)ハイブリッド計算を最新の技術で本格的にサポートした。こちらは、QMはDMol3、MMにCHARMmを使用し、2つの領域の間をQUANTUMmと呼ばれるコミュニケーションプログラムでつなぐというスタイルをとる。

 材料科学分野では、昨年9月からフェーズ2に入った「ナノテクノロジーコンソーシアム」の動きも注目される。DFTB(デンシティーファンクショナルタイトバインディング)、キネティックモンテカルロといった新しい計算手法の実用化を目指す方針。