2008年春CCS特集:バイオ・ラッド ラボラトリーズ

高分子スペクトル解析で新同定ツール、データベースも導入容易に

 2008.08.30−バイオ・ラッド ラボラトリーズは、長年にわたって定評のある「サドラー」スペクトルデータベースの豊富な蓄積に加え、それらデータベース(DB)をフル活用するためのソフトウエアパッケージ「KnowItAll」(ノウ・イットオール)を提供。スペクトル解析の初心者から上級者までをサポートし、生産性の向上をもたらしている。

 KnowItAllインフォマティクスシステムは、IR、NMR、MS、ラマンなどの各分光器に対応したエディションが用意されており、各種スペクトルデータを共通のプラットホームで扱う統合システムとして利用することも、必要な機能だけを組み合わせて導入することもできる。

 なかでも、KnowItAllのアナリティカルエディションは、マルチスペクトル対応でデータ解析からデータ管理、構造式とレポートの作成までをこなすマルチタスク型システム。物性解析を行うための豊富なツールが揃っていることが特徴になる。

 とくに、今年の4月にリリースされた新ツール「アナライズイット・ポリマーIR」が注目される。高分子のスペクトルと構造式の相関知識ベースを用いて、未知の高分子を同定する機能を持っている。この知識ベースは、FTIRスペクトルをもとに1,300以上の赤外吸収バンドとそれに関連する官能基情報を取り出し、100の高分子クラスに分類したもの。スペクトルのピークを選択すると、そのピークに赤外吸収を持つ官能基のリストが示される。また、注目したい官能基のピーク位置と強度、その官能基グループに対応した部分構造とピークの特徴が表示されるので、これらの情報を活用して効率良く同定を行うことが可能。

 一方、KnowItAllで利用できるサドラーDBは、カテゴリーを細かく分け、研究対象を絞って購入しやすくなるようになっている。逆に、網羅的にすべてのDBにアクセスしたいというニーズも増えているため、フルデータの年間ライセンスを新たに用意した。1ユーザーで約100万円とリーズナブル。