2008年春CCS特集:CTCラボラトリーシステムズ

研究から開発まで総合支援、オフショア開発に対応へ

 2008.06.25−CTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、製薬業の支援を専門とするIT(情報技術)ベンダーで、新薬の探索研究から臨床試験などの開発段階、さらにその間をつなぐトランスレーショナルリサーチ(TR)の推進まで、さまざまな課題を解決できる豊富な製品とサービスを揃えている。ここ数年は海外の受託試験機関と連携したウェット系のサービスにも乗り出しており、創薬の現場のニーズをきめ細かく汲み取ることにますます力を入れていく。

 注目されている電子実験ノートでは、米シミックスの「SymyxNotebook」に加えて、英IDBSの「BioBook」の提案活動も強化する。後者は生物評価試験データ管理に特化した製品で、2006年末に欧米で発売されたが、すでに50社の採用実績を築いているという。生物系の研究者向けの電子ノート製品の選択肢を広げることにもつながる。

 開発段階の支援では、臨床試験管理システム「オラクルクリニカル」、米アリスグローバルの安全性情報管理システムなどを提供。さらに、臨床試験で活用できるユニークなシミュレーションソフトとして米ファーサイトの「トライアルシミュレーター」、独バイエルテクノロジーサービシーズの「PK-sim」といった製品にも関心が高いという。

 同社は、これらの専門的なパッケージソフトを単に販売するだけでなく、個々の製薬企業のIT戦略を満足させる大規模システム開発にも対応できる陣容を整えている。伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)グループの総合力に加え、CTCLS単体としてインド系のオフショア・アウトソーシング大手である米コグニザントと業務提携し、業務改善コンサルティングからシステム構築・運用管理までのトータルサービスを共同で提供できる体制を整えている。