2008年春CCS特集:ウェイブファンクション

最新08年版投入へ向け新施策、教育現場での活用事例紹介も

 2008.06.25−ウェイブファンクションは、すぐれた使いやすさを誇る分子モデリングシステム「Spartan」の最新バージョンを年内にリリースする。このため、新規顧客に対しては特別に1年間のサポート契約を設け、現行バージョンを購入しても、有利な価格で最新版にバージョンアップできるようにした。

 現在の製品はSpartan '06で、Windows版とLinux版、マッキントッシュ版がリリースされている。最新版へのバージョンアップ権利が付いたサポート契約は、通常は3年契約で8万円が基本だが、年内の買い控えを抑制するため、今回新たに1年間で3万円のサポート契約を用意した。この料金でSpartan '08への更新が約束される。

 08版の新機能としては、IR(赤外線)スペクトルの予測データベースを利用して、測定器で得られたスペクトル図をもとに分子を同定する検索機能が盛り込まれるということだ。

 同社では、和光純薬工業と代理店契約を結んでおり、試薬の営業・サービスのルートを活用したSpartanの売り込みに力を入れている。昨年からは電子情報誌「Infomatic World」を刊行してユーザー事例の発表なども行っている。Spartanは大学などの教育用途での導入実績が豊富だが、現場での実際の事例を読むことができるため、ユーザーからは好評を得ているという。

 一方、教育現場への大量導入に適したSpartanスチューデントエディションも、08版のリリースに合わせて大幅な機能強化が実施される予定。計算機能に、密度汎関数法(DFT)が追加されるほか、ケンブリッジソフト社の化学構造作図ツールChemDrawとの連携など、使いやすさも向上するという。