富士通九州システムズが液晶化合物DBの最新版

データ件数9万6,000件に増加、個人データの登録も可能

 2009.06.30−富士通九州システムズ(FJQS)は、液晶化合物データベース(DB)の最新版「LipCryst 4.8」を7月1日から発売する。独ハンブルグ大学のフォルクマル・フィル教授のグループが開発したDBで、同社がアジア総代理店を努めている。最新版では約3,000件の新規化合物情報が追加され、トータルでのデータ量は約9万6,000件に増加した。価格は168万円(大学向け88万円)で、年間100本の販売を見込んでいる。

 LiqCrystは、文献や特許をもとに、液晶化合物の化学構造・物理特性値・文献情報などを収録。温度の変化で液晶相が生成されるサーモトロピック液晶をほぼ網羅しており、これらを高速で検索したり、検索結果を統計分析したりする機能を備えている。例えば、類似化合物を統計分析することで液晶化合物の相転移温度を予測することが可能。インターネットへのリンクも設定されており、原著論文にも簡単にアクセスできる。

 LiqCryst 4.8のデータの中身としては、9万6,216の液晶化合物に関して33万3,000件以上のプロパティー情報(相構成、相転移温度、分極率、粘度、ねじれ力、誘電率、双極子モーメント、密度、電気伝導度、磁化率、熱容量・拡散係数、活性化エネルギー、エンタルピー、弾性定数、屈曲率、エントロピー、X線分析、電子スピン共鳴、NMR、IR、UV、自発分極、光散乱、立体配座、レイリー散乱など)を収めている。

 また、アドバンスド版(一般192万円、大学112万円)も用意されており、これを利用すると、研究者が個人で持っているデータをシステムに追加登録することが可能になる。LiqCryst 4.8では登録済みレコードに対するデータ編集・追加も行える。